いまトレンドのバーティカルメディア、その背景と成功の秘訣とは?

トレンド

近年、さまざまなタイプのバーティカルメディアが出現しています。2018年3月から6月にかけて、朝日新聞社は特定のテーマに特化した5つのWebサイトをオープンさせました。いずれもライフステージや動物、読書など人々の趣向に寄り添ったバーティカルメディアとなっています。もちろん、他の企業からも多くのバーティカルメディアが誕生しています。今回は、バーティカルメディアが人気になっている理由と成功の秘訣に迫ります。

バーティカルメディアとは?

バーティカルは「垂直な」という意味を表す英語で、幅広いテーマを扱うのではなく、特定の領域に特化しているサイトのことを「バーティカルメディア」といいます。

これまでは、分からないことを調べるときにはGoogleなどの検索サイトを利用するのが一般的でした。しかし、最近は、ある特定の分野に特化したバーティカルメディアを使って情報を得る傾向が強くなってきています。例えば、料理の作り方を調べたいときは、Googleで検索するよりもクックパッド(https://cookpad.com)のような料理に特化したサイトで調べた方が早くて便利、と感じるユーザが多くなってきたのです。

バーティカルメディアは、狭くて濃い情報を提供するサイトとなることから、ユーザの「興味」に直結した、細やかなニーズに応えるメディアである場合が多く、リピート率が高いのが特徴です。

バーティカルメディアがトレンドになっている背景

前述したように、これまでは検索サイトにキーワードを入力して、求める情報が掲載されているWebサイトを探すのが一般的でした。そこに、さまざまな記事が一度に楽しめるキュレーションサイトが登場し、情報取得の流れに変化が生まれました。しかし、キュレーションサイトが増えるにつれて、どのサイトも情報が横並びになっていく事態になりました。

このような背景から、単なる「まとめサイト」程度の専門性ではなく、特定分野の情報をとことん深堀りしたバーティカルメディアが注目されるようになりました。分野によっては専門家の監修などもあるため、メディアに対する信頼感を持ちやすく、運営側もユーザの趣向が絞りやすいのがバーティカルメディアの特徴です。また、分野が特定されているため広告を見込みやすく、企業が参入しやすいのも特徴といえます。アクセス解析やレコメンド機能などが進歩し、ユーザの行動を把握しやすくなったことも、バーティカルメディアが台頭してきた理由のひとつに挙げられるでしょう。

バーティカルメディア成功の鍵

例えば「転職EX」を運営する株式会社じげんは、「薬剤師求人EX」、「看護師求人EX」、「賃貸スモッカ」、「Hotelista」など、数多くのバーティカルメディアを手掛けている企業です。2014年から会社の売り上げは右肩上がりで、バーティカルメディアの運営に成功している企業のひとつといえます。では、どのような点が成功の鍵になっているのでしょうか。

1. なくなることがない流動性のある分野を選択

誰もが働く必要がある以上、転職市場は常に需要があります。また、不動産という分野も時代によって形態が変わっていくにせよ、普遍的に必要とされる分野です。このように株式会社じげんでは、「流動性はあるが、長く需要のある分野」を選択しています。
近年は、人材不足が懸念されている看護師などの「職業特化型バーティカルメディア」も多く見かけるようになりました。バーティカルメディアはその専門性から、情報の枯渇や似たようなコンテンツが多くなってしまう傾向があります。だからこそ、「メディアの専門性を何に特化するか」が成功の鍵を握っているといえます。

2. 情報量が豊富で読みやすい

「転職EX」では、Indeed(https://jp.indeed.com)をはじめ、さまざまな求人サイトと提携して情報に厚みを持たせています。個々のニーズに合わせた調べ方ができるデザインになっており、情報を探しやすいように工夫されています。メールマガジンへの動線がスムーズなことも見習うべき点といえるでしょう。専門性のあるメディアだからこそ、ユーザも会員登録をすることで得られるベネフィットを想像しやすいといえます。専門性というメリットを活かせる、優れたUIデザインの構築も重要な要素になります。

まとめ:バーティカルメディアの成功の鍵は、分野選びと良質なUI/UX

バーティカルメディアは、情報が枯渇したり類似したコンテンツが多くなったりしてしまう傾向があります。だからこそ、情報を深堀りしやすい分野を選択することが重要となります。人気のバーティカルメディアに共通していえることは、ターゲットを絞り、情報を明確にし、スムーズな動線が確保されていることです。そうすることで固定ファンを集めやすくし、息の長いメディアへと育っていくわけです。