レコメンドエンジンがもたらす「ユーザ趣向」の今後の可能性とは?

レコメンドエンジンがもたらす「ユーザ趣向」の今後の可能性とは?

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レコメンドエンジンがもたらす「ユーザ趣向」の今後の可能性とは?

通販サイトのみならず、さまざまなメディアで採用されているレコメンドエンジン。ユーザに寄り添う機能として幅広く活用されています。ここでは、現在のレコメンドエンジンのあり方や、今後の可能性について考察していきます。

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レコメンドエンジンとはユーザの趣向を抽出するシステム

Webサイト内で「関連アイテム」や「おすすめの商品」などの表示を目にしたことはありませんか? これらは、ユーザの趣向をサイトに反映するシステムとなる「レコメンドエンジン」の機能の一部です。過去のユーザ履歴などをもとに表示するアイテムが自動的に選出される仕組みで、導入後は購入率が向上したという事例もあります。

例えば、RIZAPグループのファッション通販サイト「夢展望」では、2017年にEC向けのサイズレコメンドエンジン「unisize」を導入。レコメンド機能を利用していない商品と比べて、購入率が1.5倍にアップしたと報告されています。簡単な質問に答えるだけで「おすすめサイズ」を教えてくれるサイズレコメンドエンジンは、試着しなくても自分の体形に合ったサイズがわかるため、より安心感が強くなり、購入率のアップに貢献したのだと考えられます。

レコメンドエンジンのメリット・デメリット

レコメンドエンジンを導入すると、Webサイトの回遊率や滞在時間が向上すると期待できます。その結果、コンバージョン数も増加し、売上に貢献するというメリットをもたらします。また、レコメンドエンジンの導入は直帰率対策にも効果的です。

ただし、「データの蓄積がなければ有効なレコメンドを実施しにくい」(コールドスタート)という問題や、「事前に属性の解析分析を行う手間が必要になる」という問題を克服しなければいけません。また、導入に伴う費用が発生することも考慮しておく必要があります。

レコメンドエンジンの活用方法

続いては、レコメンドエンジンを効果的に活用した例をいくつか紹介しておきましょう。レコメンドエンジンの活用方法を探るときの参考にしてください。

新ツールと商品をつなぐレコメンドエンジン

2017年、スマートフォンだけで本格的な肌測定ができる美肌づくり習慣アプリ「肌パシャ」が資生堂より公開されました。また、ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイが、採寸用ボディースーツ「ZOZOSUIT」の無料配布(送料別)を開始すると発表したことも話題になりました。どちらも最新技術を用いたツールですが、そのものだけでは商品の購入に結びつきにくいアイテムです。このような場合、ユーザに新ツールを活用してもらいつつ、実際に購入できる商品を提示していく必要があります。よって、サイト内のレコメンド機能を充実させることが重要な鍵となります。

よりオーダーメイド感覚に近づけるレコメンド機能

「FITTIN」(フィッティン)は、オンライン上で自分の体形に合ったブラジャータイプを判定してくれるシステムで、レコメンド機能とセミオーダーシステムを融合させたサービスです。1万2,000パターンから得たユーザ体型データをもとに、商品をセミオーダーで縫製して届けてくれるシステムです。レコメンドされた既成品をセミオーダーなしで購入することも可能。フィッティングしなくても自分のサイズを把握でき、さらにセミオーダーの商品を購入できる総合的なサービスとして注目されています。

チャット型のレコメンド広告

Speeeが開発・運営するネイティブアド配信プラットフォーム『UZOU(ウゾウ)』は、「おすすめの記事」などの枠とは別に、ポップアップウィンドウでアピールしたい内容をチャット形式で紹介してくれます。こちらは2018年2月にサービスが開始されました。レコメンド機能とチャットを融合した、新しいタイプの広告です。このツールを導入することで、直帰率が4分の1まで減少したという実績も報告されています。

ユーザのニーズに寄り添い、進化していくレコメンドエンジン

多くのサイトで採用されているレコメンドエンジンは、プラスアルファの手法が問われる時代になってきました。おすすめ商品をピックアップするだけではなく、セミオーダー機能を組み合わせてみたり、新ツールと顧客を結び付ける手法として活用したりするなど、よりユーザの趣向を踏まえたサービスに進化させる必要があります。そうすることで、レコメンドエンジンをより効果的に展開できるのではないでしょうか。

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