CGMの先駆け『NAVERまとめ』が9月30日をもってサービス終了

CGMの先駆け『NAVERまとめ』が9月30日をもってサービス終了

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『NAVERまとめ』が2020年9月30日にサービスを終了します。2009年から11年に渡りサービスを提供し、CGM(Consumer Generated Media:ユーザ参加型のメディア)の先駆けとして様々な反響をもたらしました。

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『NAVERまとめ』とは?

NAVERまとめは、ユーザ参加型のWebキュレーションサービスで、LINEの子会社であるネクストライブラリが運営しています。『まとめサイト』の先駆けであり、2009年から11年間に渡りサービスを提供してきました。どのような点が反響を呼んだサービスか振り返りましょう。

反響①:CGMの先駆け

当時、まとめサイトはまだそれほど普及しておらず、検索窓から特定のキーワードを入力し、各サイトから情報を入手するのが一般的でした。NAVERまとめは、サービスに登録した編集者が、特定のトピックに関してインターネット上から各種情報やリンク・画像等を収集して一つのWebページ上に表現するサービスです。NAVERまとめは、Webサービスとして多くのPV(ページビュー)を一気に集め、『まとめサイト』や『キュレーションサイト』という言葉が一般化するきっかけを作りました。

各プレイヤーのメリット

  • サービス運営者 :ローコストで大量のコンテンツを集めることができる
  • ユーザ(閲覧者):複数のページを訪問することなく、効率よく情報を入手できる
  • ユーザ(編集者):編集したページのPV数によってインセンティブが入る

反響②: 編集者に対してのインセンティブ(成果報酬)

アフィリエイトプログラムやバナー広告を利用して、個人のホームページやブログで収益を得ることは一般化していましたが、編集者として登録し、編集ページのPV数(成果)に応じて報酬を支払うサービスはあまり見かけませんでした。NAVERまとめは、『まとめインセンティブプログラム』という編集者のコンテンツ制作活動を支援する仕組みを提供することで、サービス開始当初から多くのコンテンツを集めることができました。サービス開始当初は、PV数ベースの成果報酬でしたが、その後編集者のランク分けやページへの流入経路による単価変動等の仕様変更が加えられています。

反響③:コンテンツの信頼性

編集者にとっては、より多くのPVを集めることが収益性を高める要因となるため、過剰なタイトルを付けたり、多くのコンテンツを生み出すため、編集作業をほとんどせず、単純にリンクを貼り付けるだけのページが目立つようになりました。Googleアルゴリズムの変更(YMYLやE-A-T)やキュレーションサイトの炎上問題で大手サイトが相次いで閉鎖したことから、徐々にサービス全体のPV数が減少したことが今回のサービス終了につながったと考えられます。

リンク:YMYLのこと知っていますか? メディア担当者が理解したいWeb用語

リンク:E-A-Tのこと知っていますか? メディア担当者が理解したいWeb用語

技術の転用に期待

NAVERまとめは、多くの編集者がコンテンツを作成し、ユーザ(閲覧者)が効率的に情報を収集できる『まとめサイト』サービスの先駆者です。11年続いたサービスは終了しますが、技術面では転用可能な部分が多いので、次期サービスに期待たいところです。

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