パーソナライゼーションでピンポイントの情報提供を実現!

パーソナライゼーションでピンポイントの情報提供を実現!

ハウツー

現在は過去と比較して、よりパーソナルな分野が重視される時代です。スマートフォンの普及により、場所を選ぶことなく、各自の好きな情報に触れたり、音楽を聴いたりできるようになりました。消費者は「誰かと同じもの」ではなく、「自分の趣味や興味」によって商品やサービスを選択するようになり、マスメディアが一方的に流す情報の価値は薄れつつあります。パーソナライゼーションは、ユーザの行動履歴をもとに「個々に合わせた情報やサービス」を提供するものです。すでに多くの企業が取り入れ、マーケティングの主流になっていくかもしれません。ここでは、パーソナライゼーションの基本的な知識とメリット・デメリット、活用する際の注意点について解説していきます。

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パーソナライゼーションとは?

「パーソナライゼーション」は個人の行動履歴などのデータをもとに、それぞれのユーザに適した商品・サービス・情報を提供することを目的としたマーケティング手法です。不特定多数に向けて情報を発信するテレビやラジオ、新聞などのマスマーケティングとは対極にあるものと言えるでしょう。

パーソナライゼーションでは、企業が個人に対して直接訴求を行います。日々変化するユーザの行動履歴を集め、適切に分析することができれば、時間経過とともにデータの精度は向上していき、それだけ効果の高いアプローチを行えるようになります。

ネット上に表示される、レコメンデーションやターゲティングといった手法を用いた広告も、パーソナライゼーションのひとつです。収集されたデータからユーザのニーズを探り、ユーザにとっての利便性を高めたうえで、成約につなげていきます。

パーソナライゼーションとカスタマイゼーションの違いは?

「個人」というキーワードに特化したマーケティング手法として、「カスタマイゼーション」という手法もあります。続いては、「パーソナライゼーション」と「カスタマイゼーション」の違いを確認しておきましょう。

パーソナライゼーションとは?

パーソナライゼーションは、サービスを提供する側がユーザに対して個別にアプローチしていきます。Webサイトの閲覧履歴や商品・サービスの購入履歴、またはアプリに対するアクションなどから、ユーザの好みを分析します。そして、顧客全体の固まりから個人として特定し、その人のニーズに合わせた選択肢を提案していきます。例えば、ショッピングサイトの「おすすめ」や「レコメンデーション」、動画サイトの「次に見る映像」など、ユーザの選択をサポートすることにより、次の行動を喚起する役割を果たします。

カスタマイゼーションとは?

カスタマイゼーションは、ユーザ自身が自分仕様に変えることを指します。例えば、SNSやアプリの画面表示を変更したり、デスクトップのウィジェットを変更したりできるような仕様がカスタマイゼーションとなります。つまり、ユーザが主体となり能動的に実施する仕組みです。利用環境を自分好みに変えることで、満足度の向上に貢献します。

両者の特長は?

パーソナライゼーションもカスタマイゼーションも、「ユーザの快適性や満足度の向上につながる」という点では一致しています。パーソナライゼーションならではの特長は、ユーザの利便性向上を図るだけでなく、そこからCV(コンバージョン)につなげる効果を期待できることです。個人の好みに合わせるところから、さらに一歩踏み込んだアプローチ手法と言えるでしょう。

パーソナライゼーションのメリット・デメリットは?

現在では、さまざまな分野でパーソナライゼーションが取り入れられており、どの企業もその可能性の大きさに注目しています。しかし、パーソナライゼーションにもマイナス面があります。続いては、パーソナライゼーションのメリット・デメリットについて見ていきましょう。

パーソナライゼーションのメリット

パーソナライゼーションのメリットとしては、ユーザの潜在的なニーズにアプローチできることが挙げられます。過去の行動履歴やアクションの傾向などから、ユーザ自身が気付いていないニーズを掘り起こすことも可能です。
ユーザがインターネットを利用すればするほど情報は蓄積されていき、データの精度が高まっていきます。このため分析もより正確になります。
企業が発信するメッセージは、不特定多数に向けたものよりも、個人の好みにマッチする情報の方が受け入れられやすい、という利点があります。最適なタイミングで適切なターゲットに表示することで、企業の認知度を高め、個人のニーズを的確に満たし、リピーター化につなげていくという効果が期待できます。

パーソナライゼーションのデメリット

パーソナライゼーションのデメリットは、ユーザの拒否反応を招く恐れがあることです。レコメンデーション、ターゲティング広告などが多発すると、かえって逆効果になってしまう場合もあります。すでに実店舗で商品を購入しており、レコメンドが不要になっていても、相変わらず「おすすめ」が表示されているという場合もあります。こういった状況に対応するのは限界があることも確かです。また、あまりにニーズを読み取り過ぎてしまい、「なぜそこまでわかるのだろうか?気味が悪い。」といった嫌悪感につながるケースも十分に考えられます。

パーソナライゼーションの注意点は?

パーソナライゼーションは、企業にとって計り知れない可能性を持つマーケティング手法と言えます。その一方で、「万能ではない」という意識を忘れてはなりません。また、ユーザにとっての情報が偏っている可能性も常に考えておく必要があります。ユーザの行動は、あくまでその時々の興味に従っているものであり、一つの行動がユーザのすべてを表しているとは限りません。

パーソナライゼーションはユーザのニーズに合わせてカスタマイズされた情報を提供しますが、それがユーザの体験機会を狭めている可能性もないとは言い切れないのです。このような状況を回避するためには、多角的な視点を持ち、ユーザの不利益とならないように精度の高い分析を行うことが求められます。

もうひとつの大きな課題は、プライバシーの保護です。消費者のプライバシー保護に対する姿勢は、企業への信頼に大きく影響してきます。プライバシー保護と情報技術は密接に関係していることを理解し、収集したデータの適正利用と厳重な管理に務めなければなりません。

パーソナライゼーションは、好まないユーザが存在する一方で、まったく実施しなかったがためにCV率が低下した、という事例もあります。実施する際はよく検討を重ね、「自社の顧客に適しているか?」を慎重に判断することが大切です。

まとめ:パーソナライゼーションを効果的に活用するために

現在、マーケティングの分野はパーソナライゼーションを抜きにして語れないと言ってよいほど盛り上がりを見せています。実店舗でもパーソナライゼーションを応用したサービスの提供が始まっており、ユーザが「いつ、何を求めるのか?」を推測することで、より満足度の高い顧客体験の実現を狙っています。

ユーザの属性や行動履歴からニーズを見抜き、情報や商品・サービスをピンポイントで提供することは、顧客との良好な関係を築くうえでも有効な手段と言えるでしょう。一方で、行動や志向をあまりに把握され過ぎることに薄気味悪さを感じる消費者がいるのも事実です。パーソナライゼーションを活用する際は、自社が提供するサービスとターゲット層について十分に考慮し、プライバシー保護を最優先しながら実施することが求められます。

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