2022年を目処にGoogle Chromeがクッキーデータの利用を規制へ! Apple Safari、Mozilla Firefoxに続く

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2020年1月14日 米Google(グーグル)は、今後2年以内に同社のWebブラウザ Google Chrome(グーグル クローム)でクッキー(Cookie)データの外部提供を段階的に廃止する方針をリリースしました。
リンク(Chromium Blog):Building a more private web: A path towards making third party cookies obsolete(英文サイト)
このような動きに関しては、米Apple(アップル)のWebブラウザSafari(サファリ)が、ITP(Intelligent Tracking Prevention)という機能を先行して導入していました。今回のリリースで考えられる影響についてまとめてみました。
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クッキー規制に関するこれまでの流れ
ITPに関しての過去記事
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クッキーは、元々、Webの世界で、会員向けサービスにおけるログイン状態の維持や、ECサイトにおける買い物カゴ情報の維持に利用される便利な機能でした。その後、ユーザのWebサイト間の遷移情報を分析し、ユーザの属性や趣味嗜好に応じた広告配信サービス「ターゲティング広告」に利用されるようになりました。クラウドサービスやECサイト、インターネット広告市場が拡大し、非常に便利な世の中になる一方で、個人情報保護が注目を集めるようになります。クッキーがそのまま個人情報に該当するという判断は、国や地域によって異なりますが、EUで2018年5月25日に施行されたGDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)でクッキーも保護対象に含まれるようになり、クッキー規制の動きが加速されました。GDPRだけでなく、2020年1月1日に施行されたCCPA(California Consumer Privacy Act:カリフォルニア消費者プライバシー法)も大きな話題となっており、各国・地域で類似の規制が広がるものと思われます。
ファーストパーティクッキーとサードパーティクッキー
クッキーは、「ファーストパーティクッキー(1st Party Cookie)」と「サードパーティクッキー(3rd Party Cookie)」に分類されます。ファーストパーティクッキーは、ユーザが訪問しているWebサイトから発行されるクッキーで、ログイン情報の保持やECサイトの買い物かご情報に利用されています。一方、サードパーティクッキーは、ユーザが訪問しているWebサイトとは別の事業者から発行されるクッキーで、サービス(ドメイン)を横断してユーザの行動を把握する必要があるターゲティング広告サービスなどに利用されています。今回のGoogle ChromeやAppleのITPの規制対象は主にサードパーティクッキーとなっています。
Google Chromeのクッキー規制によるインパクト
サードパーティクッキーの規制は、すでにAppleのITPが機能しており、Webブラウザで大きなシェアを持つGoogle Chromeが同様の規制を強化していくことで、近い将来サードパーティクッキーがほぼ使えなくなることを意味します。これまでサードパーティクッキーを利用してデータ分析を進めていた各種サービスは別の方法を利用しなければならなくなりました。
Google Chromeのクッキー規制によるインパクト
- 大きなシェアを持つGoogle Chromeの規制により、サードパーティクッキーがほぼ使えなくなる。
- サードパーティクッキーを利用しているサービスは意外に多い。各サービスともサードパーティクッキーを利用せずに同様のサービス品質を保つ取り組みを迫られる。
今後の規制対象はクッキーに限らない
今回のGoogle Chromeのクッキー規制は、GDPRやCCPAといった個人情報保護の取り組みやWebにおけるユーザ体験の阻害要因を取り除くべきといった世論が、GoogleやAppleといった巨大企業のサービス仕様に影響を及ぼしたとも受け取れます。サードパーティクッキーを利用しない新しいサービス開発は進むと思いますが、類似の技術に関しても規制がされないという保証はありません。テクノロジーの追求だけでなく、ユーザ体験や個人情報保護の観点からのサービス開発が必要です。
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