TIGコマースを活用して動画から商品購入への動線を確保する!

TIGコマースを活用して動画から商品購入への動線を確保する!

トレンド

現代のマーケティングにおいて、動画は欠かせないツールです。しかし、需要の喚起や訴求に一定の効果は認められるものの、動画から購入画面へ直接移動できないため、これまでは顧客が離脱する原因のひとつになっていました。この課題をクリアする画期的な技術が「TIGコマース」です。TIGコマースを使うと、動画で紹介されている商品をその場で購入できるサービスが実現できます。ここでは、TIGコマースの概略と活用方法、今後の展望などについて解説します。

こちらもオススメ

TIGコマースとは?

TIGコマース(TIG commerce)は、動画内にある商品をリアルタイムで購入できる新しいマーケティング手法です。動画内をタッチ(またはフリック)するだけで商品をカートに入れられるため、ユーザは「欲しい!」と思った瞬間に買い物をすることができます。動画を一時停止しなくても操作することが可能で、いちいち元の画面に戻るといった煩わしさもありません。

動画による高い訴求効果をそのまま購入につなげられるため、売り手側はユーザの購入意欲を逃すことなく、販促活動を行えます。画像に比べて情報量の多い「動画」を販促に生かすことで、広告効果が向上すると考えられます。また、ひとつの動画で複数の商品を訴求できるため、売り手側の手間を集約できるのもTIGコマースの魅力です。

TIGコマースの活用例

続いては、TIGコマースを活用した具体的な例について考えていきましょう。

「動画」はイメージづくりに大きな効果を発揮します。例えば、新しい機能付きのベビーラックや使い勝手の良いベビー用マグといったものを赤ちゃんとお母さんの動きに合わせて紹介していけば、それを必要とするユーザ層の生活風景と重ねられるため、強い訴求効果を生み出すことができます。アウトドアワゴンやビールサーバーなどのように、使い方の実演動画を見せながら訴求することで、よりユーザに興味を持ってもらいやすくなる商品もあります。

ファッションコーディネートを紹介する動画では、メイク付帯的な商品も含めて、複数の商品をまとめて効率的に訴求することも可能です。お肌のお手入れ動画を作成し、スキンケア化粧品のトライアルセットの申し込みと連動させれば、レスポンスの向上が見込めるでしょう。

動画が得意とするシズル感を活用する手法も考えられます。クリスマスやバースデーパーティーといったイベント風景の中に、思わず視聴者が手を伸ばしたくなる演出を考えるのはそう難しくありません。

TIGコマースの展望は?

マーケティングにおけるコミュニケーションの主流は、「写真」から「動画」へと移ってきています。ブームになっているTikTokや、大手通信キャリアの動画見放題プランの拡大など、社会全体が「動画」にシフトしていることを表しています。

TIGコマースの先駆けとなっている、動画コマース、VRコマースの訴求効果についての実用化が行われています。最近では、三陽商会が映画の登場人物が身に着けているアイテムを購入できる「シネマコマース型マーケティング」を発表し、話題を集めました。気になったアイテムの詳細情報を、サイト上の画面端のボタンから表示することができ、そのまま購買につなげます。TIGコマースほど直接的ではないにしろ、動画そのものを広告ツールとしている点に類似性があると言えるでしょう。

ネット時代のユーザは、時短や手間をかけたくないといった欲求が刻々と増大しています。それだけに興味を失うのも早く、「いますぐ手に入らないのであれば購入しない」という傾向が強くなってきています。TIGコマースは、こういった現代型の消費者の心理を満たす手法と言えるのではないでしょうか。TIGコマースが一般に浸透すれば、さらに多様な商品やサービスに対応していける可能性が広がります。

TIGコマースにも弱点はある…

非常に高い訴求効果が期待され、また購入への動線を確保しやすいTIGコマースですが、その一方で弱点もあります。

動画は時系列による表示しかできません。画像を並べて配置するWebサイトとは違い、「動画を進めていかないと商品を見られない」という欠点があります。そのため、「一覧で見たい」という時間のないユーザには選択されない広告方法となります。

動画で商品を紹介し、それを視聴者に受け入れてもらうには、不自然でない表現が求められます。必要以上に「商品推し」する動画は、目の肥えたユーザには見てもらえません。つまり、動画そのものに魅力がないと、商品の訴求どころか動画を視聴してももらえない、という事態になりかねないのです。

また、動画はカメラ視点でコマが進むため、複数の商品を広告したいときは「配置の巧みさ」が求められます。画面が煩雑になると、動画による訴求効果が低下してしまう恐れがあります。

まとめ:TIGコマースは動画主流の時代における新しい広告手法

スマートフォンの普及、通信速度の向上などにより、動画は生活の一部となりました。サイバーエージェントの調査予想によると、2017年の広告動画市場は2013年の約5.6倍にもなり、そのうちスマートフォンの比率は過半数に及ぶとのこと。TIGコマースは、これまで動画広告のネックとなっていた商品購入ページへの遷移をより直接的なものとし、ユーザの興味喚起、訴求、購入という動線を確立するものとなります。ただし、安易に導入しても売り上げの向上につながるとは限りません。TIGコマースを使って効果を上げていくには、ユーザにとって魅力的な動画を制作するだけでなく、商品を厳選するスキルも求められます。

こちらもオススメ