メディアとEコマースの融合加速で、ECサイトはどう変わるか?

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ECサイトのメディア化が加速しています。「ただ商品を選んで決済をする」という購買フェーズだけを担うのではなく、興味を喚起する段階からユーザを取り込むために、読ませる・魅せるコンテンツを充実させている傾向があります。ECサイトのコンテンツを充実させると、購買目的以外で訪問したユーザに対しても、興味を喚起させることが期待できます。ここでは、メディアとの融合によりブランド化が進むECサイトの進化について説明します。

ECサイトのメディア化の理由

今日、規模を問わずさまざまなECサイトが乱立しています。国境、業種を超えてサービスを提供するAmazonなどのプラットフォーマーから、特定の商材に強みを持つ老舗企業の通販サイトまで、まさに群雄割拠の様相を呈しています。その結果、ECサイトの黎明期に見られたような、ECサイトを構築して商品を掲載するだけでは、競合するECサイトに埋もれ、期待する成果を得ることが難しくなりました。つまり、今のECサイトには、ECサイトの役割以外に独自のプレゼンスを確立する必要があります。これがECサイトのメディア化を加速させている背景です。

移り気な消費者に立ち止まってもらう

消費者は、オンライン上で自分が欲しい商品・サービスを常に研究し、比較・検討しています。既存のコンテンツは瞬く間に陳腐化し、消費者は新しい情報と刺激を求めてオンライン上を次々と回遊していきます。刺激と新しさに飢えている人々に有益で読み応えのあるコンテンツを提供することは、ECサイトの滞留時間を増やし、サイトのリピート率を向上させることができます。さらに、ソーシャルメディアやメールマガジンを使って有益な情報を「適切なタイミング」で「適切な人」に提供できれば、コンバージョンの向上にも貢献していくでしょう。

ECサイトにおけるメディア化は、データの蓄積においてもメリットがあります。人々が何を見て、どの商品・サービスを購入したのか、という履歴データを収集・分析することが可能となります。そして、その分析結果は、ECサイトの収益向上に向けたサイクルに活用できる有用なデータとなります。

メディア化を続ける難しさ

消費者を飽きさせず、なおかつ収益向上につながるコンテンツをECサイトで提供することは、担当者に想像以上の負荷をかけます。ECサイトで扱う商材によってはネタ切れになる場合もありますし、コンテンツを継続的に充実させるためには、外部リソースを活用するなどのコストが発生する場合もあります。動画コンテンツ、インタビュー記事などの充実によって得られるリターンとコストのバランスを最適化するために、ROI(投資対効果)の判断をシビアに行う必要があるでしょう。

メディア化で体験させるECサイトになる

例えば、ハワイに旅行したいと考えている人は、ホテルや航空券だけでなく、食事、ショッピング、渡航保険などの幅広いカテゴリに興味を持っている可能性があります。ECサイトのメディア化において、そのコンテンツはテキストに限定されません。動画、そしてVR(Virtual Reality)などのコンテンツを充実させて、消費者に仮想体験を提供することができれば、その体験の濃さに応じてECサイトの購買にも影響を与えるでしょう。かつてはメディアと購買が分離されていましたが、ECサイトのメディア化により、情報に触れた瞬間からの購買に至るまでの速度は圧倒的に速くなっています。そして、そのスピードは、今後、いっそう速くなっていくでしょう。

人材力がECのメディア化を左右する

ECサイトを取り巻く環境は毎日、劇的に変化しています。ビジネスの影響力を高めるために、インタラクティブでプロフェッショナルなECサイトが次々と作り出されています。ECサイトの成功と拡大は、そのサイトのメディア化を担う人材に左右されます。消費者を飽きさせない体験を、ECサイト上で実現できる人材を集めること、そして育てることが、ECサイトを運営する企業に求められています。