アドフラウドももう終わり!? Google Chromeが搭載するBetter Ads Standards基準 アドブロック(広告ブロック)の影響を考える

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Google Developersブログに『より良いウェブの実現に向けて』という記事が投稿されました。Google Chromeにてユーザのオンライン体験を損ねる有害な広告をブロック(アドブロック、AdBlock、ADブロック、広告ブロックなど)する機能を2019年7月9日より全世界で展開するというアナウンスです。これまでの機能・サービスと異なる点や広告関連事業者への影響について考えます。

そもそも広告ブロック・アドブロックとは?

アドブロック(AdBlock、ADブロック)とは、Webサイトを閲覧時に表示される広告を非表示にする広告ブロック機能です。ブラウザ自体やブラウザの拡張機能として提供されているケースが多いものの、ユーザは情報リテラシーの高い一部の層に限られていました。

アドブロック関連プロダクト・サービスの一例

  • Chromeの拡張機能『AdBlock』(提供:getadblock)
  • Chromeの拡張機能『Adblock Plus』(提供:Eyeo GmbH)

しかしながら、アドフラウドの問題や、ビデオ広告・インタラクティブ広告など意図しない挙動を起こす広告の普及など、ユーザのWebエクスペリエンスを阻害する各種問題に対しての対策が急がれています。

※アドフラウド:bot(決められた処理を実行するプログラム)などを使って広告効果に不正行為を働くこと

アドフラウドに関する過去記事:その広告、ちゃんと機能していますか?アドフラウドについて考える

Better Ads Standardsとは?

Better Ads Standards(優良広告基準)とは、広告エクスペリエンスを改善するために業界団体 Coalition for Better Ads(CBA:優良広告連合)が定めたユーザが不快に感じる広告スタイル基準です。

詳細情報

Google Chromeが搭載するアドブロック機能

ユーザからのフィードバックに基づいて作成されたBetter Ads Standards(優良広告基準)に沿ったアドブロック機能が、2019年7月9日より提供されます。対象となる具体的な広告コンテンツのスタイルは、デスクトップ4種・モバイル8種類の合計12種類となっており、こちらのページ『広告に関する問題とは(Web Toolsヘルプ)』で確認することができます。

デスクトップ広告

  1. ポップアップ広告:ページのメインコンテンツを隠すようにページの前後に突然表示される広告
  2. 音声付き自動再生動画広告:自動的に音声とともに動画を再生する広告
  3. カウントダウン付きプレスティシャル広告:ページコンテンツが読み込まれる前に表示され、自動で閉じるかユーザの手で閉じなければならない広告
  4. 大型追尾広告:ページ下部に固定表示される広告

モバイル広告

  1. ポップアップ広告:メインページの読み込み後にコンテンツを隠すようにページの前後に突然表示される広告
  2. プレスティシャル広告:ページのコンテンツが読み込まれる前に表示され、メインコンテンツの表示を妨げる広告
  3. 占有率が30%を超える広告:メインコンテンツ表示部の高さ30%を超える範囲を占有する広告
  4. 点滅アニメーション広告:「点滅」して背景や色がすばやく変化するアニメーション型の広告
  5. 音声付き自動再生動画広告:ユーザ操作なしで、自動的に音声とともに動画を再生する広告
  6. カウントダウン付きポスティシャル広告:リンククリック後に「X秒後に表示」など、カウントダウン付きで表示される広告
  7. 全画面スクロールオーバー広告:占有率がページ30%を超え、コンテンツの表示を妨げる広告
  8. 大型追尾広告:画面領域の30%を超えるページの一辺に固定される広告

広告関連事業者への影響

今後アドブロック機能が一般的になると広告主・広告配信事業者・広告掲載サイトの各社への影響が懸念されます。

  • 広告掲載サイト:ポップアップ広告などを多用しているWebサイトでは全体収益が低下します。ブログ・ポータルサイト、ポイント事業サイトなどでは事前に掲載広告全体の何%が影響を受けるかを検証しましょう。影響範囲が大きい場合は、広告掲載の方法を変えるなど、基準適用外になるための工夫が必要です。
  • 広告配信事業者:規模の大きな事業者ほど影響は大きいと想定されます。配信先のドメインや表示領域・出し方などをふまえて基準が適用されそうなWebサイトにどの程度広告を配信しているかを事前検証しましょう。
  • 広告主:広告予算がうまく消化できない(集客できない・売上が伸びない)可能性があります。複数事業者への予算配分や新規の広告商材も検討しましょう。日常的に利用している広告配信事業者がある場合、事前に影響範囲を確認するのも良いでしょう。

 

今後の流れ

いかがでしたでしょうか? アドフラウドの問題含めて、ユーザ体験を阻害する広告コンテンツは今後も排除される流れになりそうです。しかしながら、基準が示されたことで、それらを更に回避する悪質なWebサイトや配信事業者も現れることが容易に予想されます(例:表示領域30%超→28%に抑えて基準の適用を回避)。しばらくはいたちごっこが続きそうです。よって、今回の基準対象外となった広告を掲載しているWebサイト運営者も将来的にはアドブロックの対象基準に含まれる可能性がありますので、広告での収益性を第一と考えるのではなく、ユーザ体験を阻害しないという姿勢が重要です。広告主も、自社の広告がどのようなWebサイトにどのくらいの割合で配信されているかの確認と、提携事業者の見直しを定期的に行いましょう。