アトリビューション分析でコンバージョンに至るユーザ経路を解き明かす!

トレンド
効果的なマーケティングを行うための指標は数多く存在しますが、その多くは、直接的にコンバージョンを生み出すポイントだけに注目した指標です。アトリビューション分析は、間接的な効果を測定する分析手法で、英語のAttribute(おかげと考える/~に起因する)を語源としています。ユーザの流入経路を分析し、各ポイントにおける貢献度を評価することでユーザが「どこから」「どのような行動を経て」コンバージョンに至るのかを知ることで、広告費用の軽減や効果的なプロモーションの実現につなげていきます。ここでは、アトリビューション分析の基礎知識と活用ポイントについて解説します。
こちらもオススメ
- CVを生み出すのは最終点だけではない! ファーストクリック&ラストクリックへの理解が成果向上につながる
- カスタマージャーニーマップでCV効果向上を目指す!-自社のWebサイトは顧客感情に寄り添えているのか?-
- ターゲットを見極める!ペルソナマーケティング
- 高いCV率を獲得するために! データフィード広告の活用ポイントとは?
アトリビューション分析とは?
アトリビューション分析は、広告やコンテンツといった「ユーザとの接点」について、それぞれがコンバージョンにもたらす貢献度を正しく評価する分析手法です。最終的な結果だけでなく、ユーザ流入経路の分析を含め、コンバージョンに至るまでのすべての過程でユーザ接触を評価対象とする考え方です。
アトリビューション分析を活用すると、それまで見逃されていた間接的な影響を持つ広告、コンテンツの貢献度などを評価できるようになり、マーケティング戦略全体の効果分析が可能となります。これにより、費用配分の見直し、目的に沿った広告の選定など、マーケティング精度の向上が期待できます。
アトリビューション分析が必要な理由
現在は、ユーザが最終的な結論に至るまでに、さまざまな経路をたどる時代です。インターネット広告の手法も一律ではなくなり、SNSを介してサイトを訪れる機会も多くなりました。キーワード検索により目的のサイトを見つけ出していた時代と比べて、ユーザの流入経路は実に多様化、複雑化しています。
また、ターゲットとするユーザの行動を把握する点においても、流入経路を分析する必要性はますます重要度を増しています。効果の高いマーケティング戦略を実現するには、ラストクリックだけでなく、各タッチポイントにおける貢献度測定も重視していく必要があります。
ユーザの行動を把握できれば、何がきっかけとなり、何に促されてコンバージョンに至ったのかを理解できるようになります。ネット広告やメルマガ、ブログ記事、SNSにおけるユーザ行動を知ることで、最適な流入方法の見極めが可能となり、広告費の削減につなげていくことが可能となります。ユーザ行動の観点からサイトを見直すなど、アトリビューション分析の活用には多くの利点があります。
アトリビューションの仕組み
それでは、アトリビューションの流れについて、より具体的に見てきましょう。アトリビューションは、以下の3つの過程で構成されます。
- アトリビューション分析
- アトリビューションモデリング
- アトリビューションマネジメント
「アトリビューション分析」では、コンバージョンに至るまでの各接点にスコアを配分します。流入元に投下した費用と成果からCPA(顧客獲得単価)を割り出してアトリビューションスコアとし、これを定点観測しながら評価していきます。実際に分析する際は、DSP(広告手法のひとつ)や第三者配信ツールを導入して、バナー広告トラッキングなどを活用します。また、Googleアナリティクスなどの解析ツールを活用する方法もあります。
アトリビューション分析で得られた結果に対して、事業内容やビジネスモデルに合わせた貢献度の重みづけを行って指標化するのが「アトリビューションモデリング」です。
「アトリビューションマネジメント」では、それぞれの貢献度の評価をもとに、適切な予算配分や施策の見直しを実施していきます。
アトリビューション分析のポイント
実施効果を確実に得るためには、アトリビューション分析のポイントを理解しておく必要があります。アトリビューション分析を用いると、ユーザが各時点で「どのようなメディアに接し」、その後「どう行動したのか」を知ることができます。しかし、目的が絞られていないと、ただの膨大なデータの集積に終わってしまいます。
アトリビューション分析の実施にあたり、どのような確証を得て、どのように活かしたいのかをあらかじめ確認しておかなければなりません。実施に際しては、ユーザの行動仮説を立て、シミュレーション結果と実際のテスト結果からアトリビューションモデルを修正し、順次、精度を向上させていく必要があります。
アトリビューション分析は、各接点におけるユーザの態度変容を測定し、その貢献度を正当に評価するものです。とはいえ、アトリビューションスコアは単なる指標のひとつにすぎません。分析結果をどのように判断し、どうマーケティングに活かしていくかは、自社の商材やビジネスモデルへの理解、そして明確な目的とゴールの設定が鍵となります。
費用対効果の高いマーケティング施策を導くアトリビューション分析
アトリビューション分析では、広告やコンテンツ、SNS施策など、各マーケティングの貢献度を定量的に評価していきます。これによって、コンバージョンに直接的・間接的に働きかける要素が明確になり、マーケティングの予算配分を最適化できます。また、コンバージョンに至らなかったユーザの動きを浮きぼりにすることで、潜在層へのアプローチのヒントを見つけられます。アトリビューション分析を適切に実施することが、費用対効果の高いマーケティング施策の実現につながります。
こちらもオススメ