その広告、ちゃんと機能していますか?アドフラウドについて考える

その広告、ちゃんと機能していますか?アドフラウドについて考える

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アドフラウド(Ad Fraud)は、2016年ごろから日本でも認知されるようになってきた、インターネット広告に関する問題です。アドフラウドを日本語に直訳すると「広告不正」や「広告詐欺」となり、少し誤解を招きかねない言葉になります。では、いったいアドフラウドとは何のことなのでしょうか? 詳しく解説します。

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アドフラウドとは?

アドフラウドとは、bot(決められた処理を実行するプログラム)などを使って広告効果に不正行為を働くことを指します。広告の出稿者から見ると、支払った対価(広告費)に見合わない結果につながってしまうため、「インターネット広告の新たな問題」として注目を集めています。実際には広告の成果がないにもかかわらず、「広告の表示回数をごまかす(水増しする)」、「広告がクリックされたように見せかける」などの状態を不正につくり出すのが代表的なアドフラウドです。

アドフラウドの種類

アドフラウドには、いくつかの種類があります。主な手法を紹介しましょう。

Ad Injection(不正な広告挿入)

Webブラウザのツールバーや拡張機能などを利用して、広告を不正に表示させる手法です。ユーザが他社のサイトを閲覧しているときにブラウザを通して、あたかも「そのサイトの広告」であるかのように無関係な広告を表示させる手法です。

Auto Refresh(自動リロードされる広告)

自動で広告をリロードさせる方法です。広告の表示枠だけを数秒単位で繰り返しリロード(更新)させることで、価値のない広告表示を行います。何度も自動的に更新させることで(1秒間に1回など)、広告の表示回数を不正に水増しするアドフラウドです。

Hidden Ads(隠し広告)

Webブラウザ上には表示されていないのに、システム上では「表示されている」と誤認させる手法です。広告の出稿者には広告表示料金が課金されますが、実際には表示されていないため、ユーザに認知されることはなく、ターゲットに届いていない状態になります。CSS(Webページのスタイルを指定するための言語)などを調整することで、広告を見えない状態にするのが一般的な手法です。

アドフラウド対策に効果的な手法は?

アドフラウドは「意図的」でなくても発生することがあります。たとえば、「各種システム管理のためのクローリング(Webサイトを巡回し情報を複製・保存するプログラム)」、「セキュリティソフトによる自動アクセス」などでも似たような現象が起こりえます。しかし、明らかに悪意のある「スパムサイトによる不正水増し」や「botによる不正表示・不正クリック」、「広告隠し」などが存在するのも事実です。

日本では「アドフラウドは比較的少ない」といわれていますが、決して無視できる存在ではありません。アドフラウド対策をしっかりと行っている広告システムを採用するか、もしくは「アドベリフィケーション」などを利用するのが望ましいとされています。アドベリフィケーションとは、「広告出稿者にネガティブな印象を持たせるサイトに広告が配信・表示されていないか」、「ユーザが認識できる場所にしっかりと掲載されているか」などを確認できるツールのことです。

SMNが提供する広告配信サービス「Logicad」では、Momentum社が提供するブランドセーフティソリューション「BlackSwan」と連携した広告配信を提供しています。「BlackSwan」は、独自のアルゴリズムにより、広告配信されるWebサイトのコンテンツをリアルタイム解析し、ブランドイメージを低下させるおそれのあるサイトへ広告を掲載させない仕組みを持っています。こういったフィルタリング機能を持つサービスは、企業ブランドの保護に役立つツールとして注目を集めています。

また、Momentum社が提供する「BlackHeron」と連携することも発表されています。「BlackHeron」は、インターネット広告の取引をモニタリングすることで不正広告の検知を自動で行うアドフラウド対策ソリューションです。広告が配信されたブラウザの解析やユーザーの行動による分析に加え、独自のアルゴリズムに基づいたスコアリング(フラウドスコア)を活用することで、無価値な広告配信を防ぎ、広告効果の向上が期待できます。

関連リリースは下記ページよりご覧いただけます。(その後「BlackSwan」及び「BlackHeron」は「HYTRA(ハイトラ) API」に名称変更)

まとめ:製品やサービスを守るためにもアドフラウド対策を

インターネット広告の出稿者はインプレッション数(広告表示回数)やクリック数などに気を取られることが多く、自社の広告が「どんな媒体に出稿されているか?」は、今まであまり注目されてきませんでした。広告は「ユーザにきちんと届かなければ効果がない」ことをしっかりと念頭におき、ブランドを守るための対策を進めていく必要があります。

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