切れ目なくユーザの興味を保ち続ける!無限スクロールの正しい活用法

切れ目なくユーザの興味を保ち続ける!無限スクロールの正しい活用法

ハウツー

ユーザの興味をそらさず、滞在時間を伸ばすための有効策とされているのが「無限スクロール」です。サイト閲覧の主役がパソコンからスマートフォンなどのモバイル端末へと移行し、Webサイトのあり方にも変化が求められています。Googleもモバイルの検索結果に無限スクロールを採用し、利便性の向上を図っています。では、すべてのサイトで無限スクロールは効果的なのでしょうか? 今回は、無限スクロールの有効性と活用ポイントについて解説します。

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無限スクロールとは?

無限スクロールは、その名の通り、まるで無限に続くかのようにページを切れ目なく読み込ませる手法です。エンドレス・スクロールにより、ページ遷移することなく、Webコンテンツの閲覧を継続できるのが特徴です。FacebookやTwitterなどのSNSでは、ページ分割のない画面構成が一般的になっており、多くのユーザが無意識のうちに無限スクロールに慣れ親しんでいます。

最近では、Googleがモバイル検索結果に無限スクロールを導入したことが大きな話題となりました。Googleは、モバイル端末におけるローディングスピードの高速化に力を入れています。無限スクロールの採用は、「より簡単に、より速く」というGoogleが目指すべき方向性にマッチした、大きな前進といえるのかもしれません。

無限スクロールのメリット、デメリット

続いては、無限スクロールのメリットとデメリットについて考察していきます。無限スクロールのメリットとしては、次のようなものが挙げられます。

  • 大量のコンテンツを表示できる
  • 若年層ユーザの行動にマッチする
  • ユーザの滞留を促す
  • ユーザビリティが容易
  • 興味が途切れない
  • ビジュアル系サイトとの親和性が高く、モバイル端末でも操作しやすい

画面が途切れずに表示される無限スクロールは、これまで複数のページにまたがっていたコンテンツを1ページに表示することが可能となります。面倒な操作やページ移動があるとすぐに離脱してしまう若年層に対して、無限スクロールは有効な手法といえます。また、手の動きが一定になるため、ユーザビリティが高く、訪問者の興味を途切れさせないこともメリットのひとつになります。特に、画像を多用するビジュアル系のサイトは、無限スクロールとの親和性が高いと考えられます。

その一方で、無限スクロールには次のようなデメリットがあります。

  • eコマースサイトのように比較が必要なサイトには不向き
  • 特定の項目に戻れない
  • じっくり読む記事では疲労する恐れがある
  • SEO対策に課題
  • 途中でスキップできない
  • フッターを利用できない
  • スクロールバーが無意味になる

流れるような操作性が持ち味の無限スクロールですが、特定の場所に戻るのは容易ではありません。以前に見た項目をもう一度見たくなっても、長々と続くページの中から目的の箇所を探し出すのは非常に手間がかかります。無限スクロールは途中スキップができないため、特定の情報を探しているときは、「延々とスクロールを続けなければならない」ということになります。

情報量が多く、長文になる記事は、ページ分割されていることがメリットにもなります。読者は各ページの文末でひと息入れることができます。こうしたコンテンツを無限スクロールにすると、読者に疲れを感じさせてしまう可能性があります。

そのほか、サイトの情報が集約されているフッタを使えないことも大きなデメリットになります。無限スクロールにはフッタの概念がないため、フッタの役割を果たす部分がなくなってしまいます。また、無限スクロールを採用しているサイトは、スクロールバーが意味のない存在になってしまうため、ユーザに戸惑いを与える恐れがあります。

無限スクロールの最も大きな課題はSEOです。基本的に1ページとして扱われるために、metaタグなどの情報をGoogleに多く伝えることができず、SEOで不利になる可能性があります。

無限スクロールとページネーションを賢く使い分けるには?

現在、Webサイトで主流になっているのは、画面下部に各ページへのリンク群を並べた「ページネーション」です。では、「無限スクロール」と「ページネーション」をどのように使い分けていけばよいのでしょうか。

無限スクロールの場合、「検索しながら目当ての商品を探す」といった使い方はできません。検索結果が求められるサイト、もしくはアイテムの位置を知る必要があるサイトは、ページネーションの方が適しています。前述したように、文章が長く、途中で区切りが必要になるコンテンツも、ページネーションの方が向いているといえます。

一方、大量のコンテンツの中から「ユーザが発見をしながら閲覧する」といったケースでは、無限スクロールの本領が発揮されます。SNSのように短時間で多くの情報にざっと目を通したいユーザ層をターゲットにする場合、無限スクロールを活用するのが効果的です。

無限スクロールを利用する際に注意すべきポイントは、リソースが不足しがちなモバイル端末では、無限スクロールの読み込みが遅くなってしまう傾向があることです。訪問者にストレスを与えないように、普及しているデバイスの性能を考慮しながら無限スクロールを導入する必要があります。

このように考えていくと、無限スクロールが効果的に活用できるケースは意外と多くありません。いかにしてユーザにストレスを与えない閲覧環境を提供していくか。コンテンツとの相性をよく確認しながら、無限スクロールの導入を検討していく必要があります。

まとめ:無限スクロールは活用場所に注意

モバイルが普及した現在、無限スクロールが求められていることは、Googleの施策からも実感できます。SNSのフィードの動きに慣れたユーザにとっては、無限スクロールは当たり前の技術と言えるかもしれません。ただし、コンテンツにそぐわない場所で使ってしまうと、ユーザビリティが低下し、サイト離脱の原因になりかねません。自社サイトで提供しているコンテンツをよく見極め、無限スクロールの効果的な活用方法を探っていく必要があります。

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