Appleユーザ必読!サファリの新機能ITPでcookieの動作が変わる

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Appleユーザにはお馴染みのWebブラウザ「サファリ」。Safari 11.0から搭載されるITP(Intelligent Tracking Prevention)により、ユーザのプライバシー保護が強化されるようになりました。具体的には、広告主や出版社、Webサービスの提供企業が採用しているユーザの追跡機能を制限する手段としてITPが追加されました。この施策はユーザのプライバシー保護を高め、Webブラウジングの機能向上を目的としています。ITPがWeb業界にどのような影響を与えるのか、広告配信側の立場から考えてみます。

続きの記事:いったい何が進化した? ITP2.0

サファリのITP機能が与える影響

サファリのITP機能は、広告主やWEBサイトの運営側が「ドメイン間でユーザを追跡する機能」を制限します。この仕組みを理解するには、cookie(クッキー)について説明をしておく必要があります。

cookieは、「Webサーバー」と「ブラウザ」の間でデータをやりとりする仕組みのひとつです。ブラウザは、cookieの情報を一定期間保有しています。例えば、ユーザIDなどの情報をcookieに保持しておくと、その都度ユーザIDとパスワードを入力しなくても、Webサイトへ自動ログインできるようになります。

また、cookieは「ファーストパーティー」と「サードパーティー」に分類されることも覚えておく必要があります。例えば、A新聞社のWebサイトに掲載されている広告をクリックした場合、それが(A新聞社ではない)サードパーティーのcookieとして扱われる場合もあります。というのも、広告の運営元はA新聞社ではなく、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)である場合が多いからです。

話をサファリのITP機能に戻しましょう。ITPは、24時間以内にアクセスがない場合、サードパーティーのcookieを削除してしまいます。これは、ユーザが広告をクリックしてから24時間以上経過すると、コンバージョンが記録されないことを意味します。マーケティング担当者の多くは、cookieを利用して顧客を絞り込み、サイト間の閲覧データを追跡しています。また、キャンペーンの効果を確認するために、cookieを利用してユーザの動線やコンバージョンを把握しておく必要もあります。ITPはこれらの機能に制限を加えることになるため、広告主のマーケティング活動に大きな影響を及ぼします。

ITPへの対策方法:Googleを使う

ITPに対する最もシンプルな対策は、Googleを活用することです。Googleアナリティクスを使用すれば、WebサイトにGoogle Analyticsタグをインストールできます。アカウントとタグを正しく設定していれば、AdWordsコンバージョントラッキングタグでGoogleアナリティクスのcookieを使用できるようになります。また、Googleタグマネージャを使用すると、ページ上のコードを変更することなく、Webサイトにタグをすばやく配置、更新できます。

ITPの今後の展望

ITPは、Appleの英断ともいえます。ユーザのプライバシーを向上させるために、「広告主との軋轢を厭わない」という姿勢は称賛に値するかもしれません。GoogleもChrome向けの広告ブロッカーを発表していますが、こちらは広告業界と提携して作成されているため、ビデオやオーディオの自動再生、画面全体を占めるインタースティシャル広告など、侵入型の広告と分類するものだけを対象にしています。

いずれにせよ、これまでの広告のあり方を再考する時代が到来していることは明らかです。今後は、ユーザと広告主の「利益のバランス」をとった機能がリリースされていくことも期待されます。こういった機能の動向を注視していくことが大切です。

広告モデルを再検討する段階に

ITPに限らず、ユーザの個人情報を活用したサービスは、今後もいろいろと制限が加えられていく可能性があります。個人情報保護の強化が進む現在では、ユーザログだけを頼りにしない、新しい広告配信の仕組みを模索していく必要があります。