潜在顧客にリーチするコンテンツ連動型広告の基礎知識と活用の手法

潜在顧客にリーチするコンテンツ連動型広告の基礎知識と活用の手法

ハウツー

ターゲットユーザの集客を目的とするさまざまな広告のなかで、今注目されているのがコンテンツ連動型広告です。コンテンツ内容に基づいた広告表示により、知名度のない商品やサービスでもユーザの興味を引くことができ、幅広い層へのアプローチを可能とします。ここではコンテンツ連動型広告について理解するとともに、その効果的な活用方法を探っていきます。

こちらもオススメ

ユーザの興味に反応するコンテンツ連動型広告

コンテンツ連動型広告は、クリック課金型リスティング広告のひとつです。リスティング広告として一般的に知られているものには、検索連動型広告があります。このタイプの広告は、検索枠にユーザが入力したキーワードに反応し、関連する広告が検索結果の上部やサイドに表示されます。一方、コンテンツ連動型広告は、検索結果画面ではなく、各種ポータルサイト、企業サイト、ニュースサイトや個人ブログなどのコンテンツ内容に従って、関連性の高い商品やサービスの広告を表示します。

コンテンツ連動型広告はコンテンツの内容と合致しているため、キーワードというピンポイントでの一致に比べて、より複合的でユーザの関心にマッチした広告が表示されます。ユーザが閲覧しているコンテンツとの関連性が深いため、マッチングによっては高いクリック率が期待できます。

コンテンツ連動型広告の代表例としては、Google AdWordsのディスプレイネットワーク、Yahoo!プロモーション広告のYDNなどがあり、テキストだけでなく画像広告や動画広告の利用も可能です。

キーワード設定から呼び出される検索連動型広告と比較すると、コンテンツ連動型広告は「ユーザ自身が未だ明確にしていないニーズ」に関してリーチする可能性を持ちます。将来的に顧客化できるユーザ層を掘り起こすという点においても、コンテンツ連動型広告が注目される理由となっています。

コンテンツ連動型広告のメリットとデメリットをチェック

コンテンツ連動型広告のメリットは、次のようなものがあげられます。

  • 滞在時間の長いコンテンツ閲覧を利用できる
  • 少ない元手で効率的に広告効果を得られる
  • ターゲティング設定機能とリマーケティング機能を利用できる
  • 自社の露出機会が増加し、潜在する見込み客にリーチできる

コンテンツ連動型広告が掲載されるサイトは、ユーザの滞在時間が長いブログやニュースサイトなどです。ネット利用の状況変化として、こうしたコンテンツの閲覧時間が増加している傾向が見られます。現在、ユーザのネット動向は、「検索にかける時間」よりも「コンテンツサイトで過ごす時間」が上回るようになってきています。

そこで、コンテンツと関連性の高い広告をうまく配置できれば、それだけ広告効果が上がります。YouTubeなどの人気動画サイトで、動画の内容に合わせた商材の広告が提示されれば、その場で売り上げ獲得も可能となるでしょう。また、クリック課金型のコンテンツ連動型広告なら、少ない投資で効率的に広告を出稿できます。負担をかけたくない中小企業でも手の出しやすい販促手法といえます。

また、コンテンツ連動型広告の大きな特徴として、ターゲティング設定機能とリマーケティング機能があります。ターゲティング設定機能では、キーワードだけでなく、時間帯、曜日、年齢、性別、地域を特定したユーザに対して配信ができます。リマーケティング機能は、いちど閲覧したユーザを追跡して広告を表示できる機能です。自社サイトを訪れたユーザがアクションを起こさずに離れた場合でも、再度アプローチをかけられるため、ユーザの興味を最大限に活かすことができます。

コンテンツ連動型広告の配信先は多岐にわたり、出現の可能性のあるサイトが無限に存在します。検索サイトよりも露出が多く、それだけ「潜在的な見込み客の掘り起こし」に作用します。コンテンツの文脈にマッチする広告の配置により、広告効果の向上が期待できます。

その一方で、コンテンツ連動型広告にもデメリットがあります。コンテンツ連動型広告の出稿先は指定できず、広告先を事前に知ることもできません。こまめに広告効果測定を行い、微調整を重ねて確実な費用対効果を得ていく必要があります。また、キーワードに応じて表示される検索連動型広告よりも効果が見えづらい、という欠点もあります。ユーザが欲しているものが明確化されている検索と違い、「コンテンツへの興味」がそのまま「広告への興味」にもつながるかどうかはマッチングの度合いに左右されます。ターゲティングがあまいとクリック率が下がり、思うような結果を得られません。

コンテンツ連動型広告は「企業の認知度の向上」などのブランド構築には有効ですが、平均的に見ると「検索連動型広告よりもコンバージョン率は低い」と考えておくべきでしょう。コンテンツ連動型広告を利用する際は、こうした利点と欠点を踏まえ、ターゲティングの設定やコンテンツとのマッチングを十分に理解しておく必要があります。

コンテンツ連動型広告の活用方法

コンテンツ連動型広告を効果的に活用するには、獲得したいユーザに合わせたターゲティング設定が重要です。ひとつの広告に数多くのキーワードを設定するのではなく、広告ごとにターゲットを絞って精度の高さを狙います。そうした広告を多数併用することで、効果を高めていきます。また、最初の設定で満足するのではなく、利用価値の低いキーワードを除外していくなど、効果測定と照らし合わせながらメンテンナンスしていくことが求められます。

コンテンツ連動型広告として成功している活用例には、次のような広告があります。

  • FXのマンガサイト(投資に関心があるユーザ層をターゲットとするサービス)
  • プレスリリース(特有の用語やフレーズに関連する広告を表示)
  • ホテルのサイト(周辺のイベント・観光情報や交通機関のキャンペーン)
  • 航空券のネット販売(英会話教材などの販売)

例えば、塾など教育分野の場合では、ユーザが参照するコンテンツに季節性があったため、「最盛期のみコンテンツ連動型広告を活用する」といった工夫をしている企業もあります。また、高級婦人靴の販売企業では、ファッション系コンテンツとの連動に加え、店舗所在地の地元コンテンツでも出現率を確保し、実店舗の売り上げに影響を及ぼした例も見られます。

パフォーマンスの高いコンテンツ連動型広告を実現する方法として、より自然にコンテンツを提供するレコメンド機能を搭載したサービスを利用する方法があります。コンテンツマッチングと呼ばれる技術により、ユーザの興味や閲覧中のコンテンツに関連性の深いおすすめのコンテンツへと誘います。こうしたサービスを積極的に活用していくことで、隠れた「欲求」を喚起する提案型の広告表示が可能となります。

コンテンツマッチングの具体的な例として、「ワイン、テイスティング、赤ワイン、クーラー」といったキーワードが含まれる記事Aと、「ボルドー、ワイナリー、ブドウ、気候」といったキーワードを含む記事Bを結びつけて検出することは、従来の手法では困難でした。しかし、現在では、独自アルゴリズムを利用して知識ネットワークを構築することにより、複合的な要素から人間の連想感覚に近い自然なコンテンツの紹介も可能となりました。

こうした新しい技術の開発により、コンテンツ連動型広告の可能性はさらに広がっています。コンテンツ連動型広告の効果を上げるためには、その特性をつかみ、機能を十分に発揮できるよう出稿段階で詳細な設定の検討が求められます。

ターゲットによるアプローチ方法の見極めが大切

コンテンツ連動型広告は潜在ターゲットへ働きかける有効な方法となりますが、キーワード検索を行う顕在ターゲットには検索連動型広告の方が効率的です。コンテンツ連動型広告の特質を十分に生かすには、ターゲットに対して「どのようなアクションを求めるのか?」を明確にする必要があります。

こちらもオススメ