アプリの中で動くアプリ? ミニアプリがユーザの行動を一元管理する

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スマートフォンが生活の一部となって久しくたちます。今や「スマートフォン無しでは生活が成り立たない」という人も多いのではないでしょうか。世界的に見ても日本人はアプリ好きらしく、スマホにインストールしているアプリの数は平均80個程度。しかし、実際に使用されているアプリの数は25個程度しかないと報告されています。企業はこぞって自社アプリを開発し、何とかダウンロードしてもらおうと躍起になっていますが、やっとの思いでスマートフォンにたどり着いても使われずに放置されている可能性は高いようです。すでにアプリが飽和状態になっている現在、新たに注目されているのが「ミニアプリ」です。ここでは「ミニアプリ」の基礎知識と、その有用性、将来的な展望について探っていきます。

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ミニアプリとは?

ミニアプリは、既存のアプリに「独自機能」を付加することができるアプリです。従来のアプリのように新たにダウンロードする必要がなく、ユーザがすでに日常的に使用しているプラットフォームアプリの中に組み込むことができます。

LINEやFacebookで使用される「チャットボット」もミニアプリの一つです。2020年春にローンチ予定の「LINE Mini app」では、LINE公式アカウントを持つ企業向けに5つの機能を提供することで、顧客や会員の管理・拡充を容易にします。

すでに「アプリ市場は飽和状態にある」といわれている昨今、より簡単にユーザにアプローチできる新たな手法として「ミニアプリ」が注目を集めています。

ミニアプリはどうやって使用する?

続いて、LINEを例にミニアプリの使用方法を紹介していきましょう。

最初に、既存アプリ(LINE)の中にサービスページを作成します。サービスページでは、通常のWebページのように自社のサービスメニューや料金などの情報を公開することができます。さらに、以下の5つの機能を追加することが可能です。

  • Reservation(ご予約)機能
  • Notification(お知らせ)機能
  • Payment(お支払い)機能
  • Coupon(クーポン)機能
  • Membership card(ポイントカード)機能

LINEを使うと、顧客と企業がチャット機能を利用してリアルタイムのやりとりを行えるようになります。疑問点をその場で解決したり、商品活用のヒントを提供したりすることで、購買行動の向上につなげられます。ユーザが商品やサービスを購入する際はLINE Payによる支払いが可能なので、企業側がセキュリティに配慮する必要がなく、手軽に導入できるのも利点の一つと言えます。

そのほか、「予約フォーム」や「クーポン発行」、「ポイントカード」といった機能を活用すれば、わざわざ外部サービスを使わなくても顧客を一元管理できます。注目度の高いLINEの「お知らせ機能」を上手に利用して、効果の高い販促行動を実現することも可能です。

ミニアプリのメリットとデメリットは?

ミニアプリのメリットとデメリットについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

ミニアプリのメリット

ユーザは、各企業のアプリを新たにダウンロードする必要がありません。すでに多くのアプリが入っており、「これ以上、増やしたくない!」と考えているユーザに対しても、既存のアプリ内からアプローチすることが可能となります。日常的に利用しているアプリがプラットフォームになるため、ほかのアプリを立ち上げる煩わしさがなく、利便性も向上します。

企業にとっては、公式LINEアカウントを「友だち追加」してもらうだけで顧客化できるなど、アプリをダウンロードしてもらうよりもハードルが低くなります。また、アプリの開発にかける費用が不要となり、利用料のみのコストで済みます。変更や修正も容易です。社内に高度なプログラミング知識を有する人材がいなくても運用できるのが大きな魅力と言えるでしょう。有名アプリ内にあるため、新規参入企業であっても「ユーザの目に留まりやすい」という利点もあります。

ミニアプリのデメリット

ミニアプリには多くのメリットがありますが、その一方で、各企業が工夫を凝らして開発しているユニークなアプリがさらに活用されにくくなる、というデメリットもあります。プラットフォーム型のアプリに「各社のサービス」が集約されていくことで、アプリ業界が「巨人化したアプリ」に席けんされてしまう可能性が高くなります。また、アカウントの乗っ取り問題など、セキュリティ上の脅威については未知数であることが懸念されます。

ミニアプリの今後の展望と活用法は?

ユーザにとっても企業にとっても、利用価値の高いミニアプリ。今後、大手アプリを提供する企業間でミニアプリ参入競争が激化していくと予想されます。

NTTドコモは、2019年11月より、各加盟店のサービス利用・決済が行える「d払い ミニアプリ」を提供すると発表しています。これにより、ユーザは加盟店ごとのアプリをダウンロードしなくても、さまざまなサービスを利用できるようになります。ミニアプリが浸透していくことにより、現在、乱立状態にあるPay払いの淘汰(とうた)にも影響を及ぼしていくと考えられます。

最後に、ミニアプリの活用例を2つ紹介しておきましょう。

  • 事例1:ヤマト運輸LINEアプリ内のチャット機能
    LINEのチャットボットを利用した再配達により、顧客満足度が向上しています。送付状や集荷機能も付加されており、手書きの面倒さから解放されました。
  • 事例2:スーパーマーケットのターゲティング型チラシ配信
    デジタルチラシを最適化されたターゲットに向けて配信しています。チャットボットの活用により、商品の問い合わせにも応じられます。

まとめ:ミニアプリを最大限に活用するために

大手のサイトはほぼアプリ化されているため、そこに割り込んで新たにアプリをダウンロードしてもらうのは容易ではありません。ミニアプリであれば、開発費用を投じることもなく、既存の大手アプリの中で自社の顧客に対してアプローチすることができます。管理機能やメッセージ機能・チャット機能などを利用して、マーケティングに活用することもできるでしょう。ただし、ここでも「ユーザに選ばれるための工夫」は必須となります。大手アプリ内で公式アカウントがユーザの目に留まらなければ、何も始まりません。ミニアプリが注目され始めた今だからこそ、その利便性をいち早く活用するための戦略が求められます。

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