成功しているサイトの秘密! グロースハックが意味するものと成功のポイント

成功しているサイトの秘密! グロースハックが意味するものと成功のポイント

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インターネットサービスの分野で、今最も注目されている手法がグロースハックです。まだ浸透しているとはいえない言葉ですが、FacebookやTwitter、Dropboxなど、世界の有名なITサービスが、この方法を取り入れて躍進を遂げたといわれています。グロースハックは従来のマーケティングの枠を飛び越え、課題の発見とその解決を繰り返しながらプロダクトやサービスの品質向上に貢献します。ここではグロースハックの基本的な考え方と、その手法、成功のポイントについて解説します。

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グロースハックとは

グロースハックとは、ユーザの利用状況から得られたデータを解析し、改善を重ねることでサービスやプロダクトに関するマーケティングにおける課題を解決する行動を指します。効果検証と改善を繰り返し、サービスやプロダクトの成長および新たな開発を行うための戦略です。

グロースハックという言葉がまだ新しく、明確な定義はありませんが、急成長を遂げた企業の推進力となった手法のひとつとして注目されています。

グロースハックを行う際は、ユーザニーズに合わせてサービスやプロダクトを逐次、改善していくことが前提となります。複数の施策を組み合わせ、市場やユーザニーズに合わせたサービス設計が常に行えるように、柔軟性をもった取り組みが求められるのです。

グロースハックで具体的に行うこと

グロースハックを行う際は、市場のニーズに沿った施策を実施しながら、成長の妨げとなっている要因を見つけ出して改善し、その効果を検証する、という手順を繰り返します。

Webサイトであれば、CTAボタンの表示方法や設置箇所、説明文の最適化、レコメンドするコンテンツの表示数、表示枠大きさなどを変化させ、A / Bテストで効果測定をしながら改善箇所を探します。わずかな差異にスポットを当てながら、市場ニーズに迅速に対応していくことで最大限の効果を得られるようにさまざまな工夫をします。

問題点を改善するだけでなく、サービス自体に拡散や成長の仕組みをもたせることを目的とし、成果の出た施策を適用し続けるのがグロースハックです。広告やアクセス解析といった従来のマーケティングの枠組みにとどまらず、サービスやプロダクトの開発にまでアプローチし、最終的には企業自体の成長を促します。

グロースハックにより急成長を遂げた企業の例としては、初回登録時に5人をフォローさせる導線を設置してユーザの拡大に成功したTwitterのほか、友人招待によるインセンティブ付与、SNSとの連携、ゲーミフィケーション(ゲームの要素や構造を、ほかの分野で応用すること)導入と複数の施策を活用したDropboxなどが挙げられます。

求められる能力

グロースハックでは、複数の施策が実施され、それぞれの効果検証、改善が同時進行で行われます。ここで全体を俯瞰(ふかん)し、統合的に進める役割を果たすのがグロースハッカーです。

グロースハッカーに求められる能力は、データを数値として読み解く力だけではありません。優れたデータ分析能力はもちろん、ユーザの心理から導かれる行動も理解できるマーケティング知識、さらにITやデザイン、製品、サービスに精通したエンジニアの視点も必要とされます。わずかな数値の違いにも手を緩めず、既存のあり方にとらわれない大胆な施策を打つ創造性も求められます。

米国の大統領選でWebサイトのグロースハックを請け負った、プロのグロースハッカーも存在します。従来の「マーケッター」という肩書を改め、「グロースハッカー」に改称する例も多く見られます。ただし、事例の少ない日本国内では、マーケティング、プロダクト、エンジニアといった各分野の担当者が連携し、各自が目的を理解しながらグロースハッカー集団を形成する、という形が一般的のようです。

グロースハックを成功させるポイント

グロースハックを成功させるためには、「成長の仕組みの構築」が最終目標であることをしっかりと把握しておく必要があります。A / Bテストなどの分析を行うだけでなく、最終目標を意識しながら課題の発見、適切な仮説の立案、対策の実施、といった一連の行動を遂行していかなければなりません。これらを一度で終わらせず、自社のプロダクトやサービスを利用するユーザのニーズを理解し、それに応えられるまで改善を繰り返すことが最大のポイントとなります。

グロースハックで行われる施策はさまざまで、メディアやサイトの性格により、成功へと導く方法は異なります。どの時点でどの施策を取り入れるのか、検証により得られた結果をどう判断するか、といった各時点での見極めを誤ると、グロースハックを実施する意味が失われてしまいます。グロースハックを成功させるためには、誘導役となる優れたグロースハッカーの存在が必須といえます。

グロースハックによる成長は、詳細で徹底した分析から始まる

グロースハックは単なる検証、発見、改善の繰り返しではなく、プロダクトやサービスの開発も視点に入れて、ユーザのニーズに合致させることで成長を促進するものです。これまでに成功してきたWebサイトを見ると、どうしてもその急成長に目を奪われがちです。しかし、その陰では、膨大な時間をかけた分析と検証が行われています。現状把握から課題を掘り起こし、サービス成長のための地道な改善を繰り返すことで、グロースハックの成果が見えてきます。

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