分散型メディア時代における、愛されるメディアを育てる「エンゲージメントの考え方」

分散型メディア時代における、愛されるメディアを育てる「エンゲージメントの考え方」

ハウツー

SNSを使った分散型のオウンドメディアを立ち上げる企業が増えるなか、メディアの評価のあり方も変わってきています。読者に愛されるメディアづくりは、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。「メディアのエンゲージメント」の観点から考察していきましょう。

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分散型のメディアが増えた理由

これまでは自社のサイトに情報を集約して、検索流入したユーザに情報を提供していくのがWebメディアの主流でした。しかし、SNSが普及した結果、メディアのあり方が問われるようになってきています。現在、注目を集めているのは、FacebookやTwitterなどのプラットフォームで情報を公開する「分散型メディア」です。この手法を上手に活用しているメディアとしては、「BuzzFeed」や「C CHANNEL」、「DELISH KITCHEN」などが有名です。こういったメディアが人気を博していることからも分かるように、SNS市場は大きな可能性を秘めたプラットフォームと言えます。

メディアにおけるエンゲージメントの種類

エンゲージメント(engagement)とは、「約束」や「婚約」といった意味を表す言葉で、企業に対する社員の「愛着心」を示す用語として使われています。近年は、Web業界でも注目を集めている用語です。

Webメディアにおける「エンゲージメント」の種類は、シェア数、滞在時間、コメント数など実に多種多様です。ただし、数字ばかりを追いかけていると、本質的な面に気づかないケースも出てきます。SNSの普及により、ユーザは自社メディア(Webサイト)上で記事を読まずに、SNS上で記事を読む機会が増えました。その結果、メディア内にある他の記事への流入率やPV数が伸び悩む傾向があります。その一方で、メディア本体の認知度はさほど高くなくても、SNS上で記事がよく読まれている場合もあり、一概に数字だけを見て判断はできないケースが多くあります。このような観点も視野に入れながら「エンゲージメント率」を見極めていく必要があります。

エンゲージメント率の計算方法

エンゲージメント率は、どのようにして決まるのでしょうか。Twitter、Facebook、Instagramにそれぞれの計算方法があるので、簡単に紹介しておきましょう。

Twitterの場合

Twitterにおけるエンゲージメント率は、以下の数式で計算できます。

アクションの総数(※1)÷インプレッションの総数

(※1)「クリック、リツイート、返信、フォロー、いいね」の総数。アクション数やインプレッション数は、Twitterのアナリティクスページで確認できます。

Facebookの場合

Facebookの場合は、以下の数式でエンゲージメント率を計算します。

アクションの総数(※2)÷投稿のリーチ数

(※2)「いいね、コメント、シェア、クリック」の総数

Instagramの場合

同様に、Instagramの場合は、以下の数式でエンゲージメント率を計算します。

エンゲージメント数(※3)÷フォロワー数

(※3)「いいね」+「コメント」の総数

Instagramにはエンゲージメント率を求める項目がないため、自分で計算する必要があります。フォロワー数を母体として考えます。

エンゲージメント率を高める方法

SNSに投稿する内容は、ユーザにとって有益な情報であることが大前提となります。さらに、投稿する時間帯も重要になります。株式会社ユーザーローカルの調査によると、Twitterは朝5時台に配信された記事が拡散されやすく、Facebookは午後2~4時ごろに「いいね」やシェアがつきやすいと言われています。また、女性向けの記事は夜7時過ぎ、ビジネス系の記事は朝5時頃が拡散されやすいと言われています。Instagramは、深夜2時もしくは夕方5時の反応が高く、大量の連続投稿は好まれません。このような傾向を踏まえたうえで、アピールしたい内容の特徴を考慮して投稿することが大切です。

「多くの人に愛される記事」が人気メディアづくりの鍵

Webのエンゲージメントを高めるには、投稿する記事の内容だけでなく、投稿する時間帯も重要になります。とはいえ、「人に愛されるべき存在であるか」が重要であることに変わりはありません。仮にSNSで火がついたとしても、記事の内容、もしくは商品やサービスそのものが魅力的でなければ、人気は長続きしません。そればかりか、「ダメ」な悪評が独り歩きしてしまう危険性すら潜んでいます。

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