テクノロジーの連携によりビジネスが加速? いま注目されるAPIエコノミーとは

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急速に進化し続けるテクノロジーを横目に、「とても自社開発ではついていけない……」と頭を抱えている企業は多いようです。APIエコノミーは、事業者同士がプログラムを連携することにより、ビジネスチャンスを拡大させるための仕組みです。得意分野の技術を提供し合う形もあれば、GoogleやYahoo!などの大手が無料で提供しているものを利用する形もあります。APIエコノミーへの参加により、自社の課題の解決策を見いだせる可能性もあります。今回は、APIエコノミーの基本的な考え方と適用事例を紹介します。

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APIエコノミーとは?

API(Application Programing Interface)とは、異なるプログラムをつなぐ接点や規格を指す言葉です。これまで開発現場で、プログラム連携を示すIT用語として使われてきました。

その概念をもとに、「事業者同士がネットワークを介してプログラムを連携させる関係」のことをAPIエコノミーと呼びます。事業者同士が互いに保有する機能を提供し合い、ビジネスとビジネスをつなぐ役割をAPIが果たします。

すでにAPIエコノミーは、さまざまなシーンで目にすることができます。例えば、ネットショッピングをする際にAmazonアカウントを通して、新規に会員登録することなく簡単に買い物ができる場合があります。これもAPIエコノミーのひとつです。また、企業サイトにGoogleマップを表示できるのも、APIエコノミーを利用しているからです。

いま、なぜAPIが注目されているのか?

APIエコノミーが広く活用されるようになった背景には、以下のような事情があります。

  • テクノロジーの複雑化
  • デジタルビジネスの変化の速さ
  • 技術開発コストと人員不足
  • オープンイノベーションの一般化

IT技術は急速に進化を遂げているため、もう個別の企業だけで対応できる時代ではなくなっています。自社で必要となる技術をゼロから開発しようとすると、膨大な時間とコストを要します。ようやく完成したころには、すでに古い技術になってしまい、「使い物にならない」という事態になりかねません。

また、先に挙げたGoogleの例でも見られるように、オープンイノベーションが成長戦略のひとつとして考えられるようになったことも理由として挙げられます。自社開発に固執するよりも、互いの技術を提供し合った方が「ビジネス上で得られる利点が多い」と気付いた企業が中心となり、APIエコノミーの流れが加速しています。

APIを利用することで得られるメリット

続いては、APIの利用で得られるメリットについて整理してみましょう。

最も大きなメリットは、技術開発の効率化とコストの削減です。すでにあるプログラムと連携することで、開発にかかる時間やコストを大幅に軽減できます。大手企業と連携した会員システムを利用すれば、自社で独自に運用するよりも強力なセキュリティをユーザに提供できます。さらに、ユーザ情報の更新があった場合も、データを容易に取得できるため、常に最新の状態を維持できます。

テクノロジーを開放することでユーザが「共有」され、自社サービスへの接点が増える。その結果、APIを通じてビジネスチャンスの拡大が生まれます。

APIの導入に必要なことは?

APIの活用には多くの利点がありますが、ただ導入するだけでは明確な効果を得られない可能性もあります。事前に現状の課題抽出を行い、自社のビジネスモデルに合わせて、必要と思われるAPIを検討しなければなりません。

GoogleやYahoo!、Amazon、楽天、ぐるなび、といった企業が提供するWeb APIは比較的容易に試すことができますが、この場合も導入に際してあらかじめ効果の測定基準を明確にしておく必要があります。

自社のシステムを提供・公開する場合は、「それによりどのような還元(メリット)があるのか?」を十分にシミュレーションしておくことが大切です。

こんなにある! APIの適用例

最後に、代表的なAPIをいくつか紹介しておきましょう。APIの概要を知る参考としてください。

Google Maps

自社サイトと連携させることにより、地図情報の表示が容易になります。拡大/縮小が自由に行えるのはもちろん、ストリートビューも活用でき、周りの店舗に変更があっても常に最新の情報を提供できます。

Uber

配車アプリのUberは、現在地を表示する地図機能をGoogle MapsのAPIで実現しています。同様に、利用者と運転者の連絡や決済手段にもAPIが活用されています。

Google

Googleカレンダーを自社のスケジュールと共有している企業は多いのではないでしょうか。場所を選ばずにスケジュールを確認でき、他のGoogleサービスとも連携できるのが利点です。また、自社のWebサービスに「Googleアカウントでのログイン認証」を適用すると、会員登録の手間を嫌うユーザに対して利便性を向上することが可能となり、登録者数の増加に貢献します。

Amazon決済

ECサイトにAmazon決済システムを導入すれば、自社で複雑なシステムを準備することなくWebショッピングを実現できます。セキュリティ面でのリスクも軽減されるため、ユーザから信頼も高くなります。

まとめ:ビジネスステージを拡大するAPIエコノミー

APIは「企業ビジネスを外部へ広げる役割」と「必要とする技術を利用しやすくする役割」の両面から注目されています。受注チャネルの拡大、FinTechとの連携など、すでに多くの分野でAPIエコノミーを見ることができます。自社でAPIを開発・提供できない企業は、大手企業が提供しているAPIを活用することで、その利用価値を理解できます。まずは、自社で必要とされている機能を検討し、導入しやすいAPIから試してみてはいかがでしょうか。

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