ページビューは教えてくれない?良質なコンテンツは読了率と視線の動きで読み解け

ハウツー

Webサイトは、閲覧数が多いというだけで安心していては十分な成果を見込めません。ユーザの反応はWeb解析のさまざまな指標で判断されますが、「チラッと見ただけ」なのか、それとも「最後までしっかり目を通してもらえてる」のか、その閲覧の仕方でサイトの有効性に大きな差が出ます。そこで、ぜひ確認しておきたいのが読了率です。読了率は「ページをどの程度完読しているか?」を示したもので、ユーザの視線の動きと深い関連性があります。ここでは、読了率の概要と計測方法、完読されるための視線の動きについて解説します。

コンテンツの充実度を測る「読了率」を知ろう

インターネット文化が未熟だった頃は、何人のユーザがサイトを訪問してくれたか、すなわち「量」を判断基準にしていた時代もありました。しかし、ユーザの目の肥えた現代では、閲覧数が多いだけでは優れたコンテンツとはいえません。その「質」にも気を配る必要があります。

そこで、ユーザが「どれだけコンテンツを読み込んでいるか」を測る指標として注目されているのが読了率です。読了率は、「ページを最後まで見ているか」に重点をおいた指標です。ユーザがページを開いた直後にいなくなってしまう、直帰率や離脱率が高いサイトでは意味がありません。煽情的なタイトルで釣ったとしても、最後まで読んでもらえなければ読了率は上がりません。

特に、商品を売るために作成されたランディングページは、どのデバイス画面でも長くなりがちです。こうしたサイトは、途中で離脱されてしまうとコンバージョン率が下がってしまいます。読了率が売上に大きな影響を与えます。

読了率の計測は、エリアごとに妥当な表示時間が決められています。滞在時間や直帰率・離脱率と合わせることで、コンテンツの適正な読了状況を確認できるようになり、ユーザの満足度を判断できます。

読了率を計測する方法は?

読了率の計測方法はいくつかあります。Googleアナリティクスを利用している場合は、jQueryのプラグイン「Scroll Depth」を追加すると、読まれたページを計測できるようになります。Scroll Depthは、計測開始のベースラインから25%、50%、75%、100%のスクロール量を計測します。この計測結果は、Googleアナリティクスのメニューで「行動」→「イベント」→「上位のイベント」を選択すると確認できます。集計画面で「スクロール計測」をクリックし、さらに「イベントラベル」を選択すると読了率を表示できます。

この方法で計測結果を分析するときは、「75%」を基準に各ページを見ていくと、途中離脱の多いページを発見できます。もちろん、コンテンツ内容を検討する際は、読了率だけでなく、ページビューやページ滞在時間などの指標も合わせて分析していく必要があります。

ヒートマップツールを利用している場合は、ユーザの視線が色彩や濃淡で表示されるので、最後まで読まれているかどうかを直観的に把握できます。ページ下部へのスクロール頻度が少なければ、「読了率が低いページ」と考えられます。また、色の濃淡で「注目度が高い部分」、「目を通してもらえない部分」をチェックすることで、コンテンツの内容やレイアウトを変更するときの参考にできます。

今のところ、読了率の平均値(基準値)は明確にされておらず、コンテンツの内容によってかなり差があるようです。最も高いといわれているのが新聞社のサイトで、その平均読了率は70%といわれています。また、ITビジネスサイトもじっくり読まれる傾向があるようです。もちろん、ターゲットとするユーザ層や利用デバイスによっても読了率に違いが見られます。

完読を実現する視線の動きはF&Z型

「ページの読みやすさ」も読了率に大きな影響を与えます。画面レイアウトに不備があると、それだけ読了率は下がってしまいます。

ユーザの視線の動きには法則があり、最もよく知られているのが「Zの法則」です。「Zの法則」は紙媒体の王道ともいえる考え方で、コンビニやスーパーの陳列棚にも活用されています。「Zの法則」における目の動きは、左上→右上→左下→右下の順になります。

また、Webサイトでは「F」の動きも重要といわれています。こちらは、左上→右、左上から少し下→右をくり返す動きです。サイトを閲覧するユーザは、最初に全体を「Z」で把握し、その後、気になるコンテンツを探しながら「F」に切り替わっていく場合が多いようです。

Z型の活用例として最も親しまれているのは、Yahoo! JAPANのトップページです。ページの最上段に「トラベル」や「ヤフオク」、「ショッピング」といった重要なサービスのアイコンが並べられており、次の段の左側に「サービスの一覧」、右上に「バナー広告」が表示されています。

新聞サイトやニュースサイトでもこうしたZ型が主流となっており、視線に従ってスクロールしながら記事を読み込ませる仕組みが構築されています。

F型は、Amazonの商品ページなど、ショッピングサイトで多く採用されています。左上に「商品画像」を配置し、右側に「詳細情報」や「キャンペーン」、「おすすめ商品」などが表示されます。左側にサムネールを置くことで、ユーザは視線を左右に行き来しながら情報を収集していく形になっています。

提供するコンテンツによりZ型とF型をうまく使い分けると、ユーザに違和感を与えず、スムーズな画面スクロールを促すことができます。サイトのレイアウトを見直すことで、読了率が向上する可能性は決して小さくないといえるでしょう。

読み飛ばされるサイトから卒業するために

読了率の低いサイトは「最後まで読む価値なし」の烙印を押されているようなものです。惹きつけるための「しかけ」は必要ですが、それだけにこだわり過ぎると、目玉コンテンツを確認した後、すぐにユーザは離脱してしまいます。読了率の確認は、レイアウトの変更を含め、サイトの改善対策を考えるきっかけになります。じっくりと完読されるサイトを作るためにも、読了率を上手に活用し、魅力あるコンテンツを探っていきましょう。